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ドイツと日本で共通の価値観を作るには

更新日:7月7日

コミュニケーション

職場のコミュニケーションは重要だと言われますが、実際に「満足している」と答える人はどれほどいるでしょうか。日本やドイツなど文化の異なる環境では、対話がそれぞれ違った前提に基づいて進み、すれ違いが生まれやすくなります。本稿では、共通の価値観がどのようにして生まれるのか、対話が途絶えたときのリスク、そして対話を再開するためのヒントをお伝えします。


同じ言葉でも意味は違う


「チームワーク」「品質」「リスク管理」「スケジュール」。こうした言葉はどの職場でも当たり前に使われますが、各人がその言葉から想起する意味や優先順位は必ずしも一致しません。これは、外交においても同じで、ルールに基づいた秩序、自由貿易といった価値観の下で各国が何を理解して、どう実行していくのかは必ずしも同じではありません。これらを擦り合わせていくために、交渉という場があるわけです。


人はつい「相手も自分と同じ前提で考えているはずだ」と思い込みます。その結果、話が噛み合わない、不満が蓄積する、やがて対話そのものが途絶えてしまう──これが多くの摩擦の根本原因です。



対話の断絶が最も危険である理由


経験上、真に危険なのは価値観の違いそのものではなく、対話の断絶です。話さなければ、自分の前提を伝える手段が絶たれるだけでなく、相手を理解する機会も失われます。


チーム内の共通の価値観は最初からあるものではありません。むしろ対話と実践を通じて、時間をかけて共同で作り上げられる「成果物」なのです。


対話が断絶するプロセス

なぜ難しい会話を避けてしまうのか


では、なぜ私たちは、必要だとわかっていても会話を避けてしまうのでしょうか?


  • 恐れ: 関係性を壊すかもしれないと心配する。

  • 前提: 相手は言わなくても分かっているはず、あるいは自分より知っているはずだと期待する。

  • 不明瞭さ: 違和感はあるが、うまく言語化できない。

  • 諦め: 過去に試しても変わらなかった経験がある。


こうした壁を乗り越えるためには、単なる根性論ではなく、対話力を高めるための「能力づくり」が必要です。


ワークの視点:価値観を再定義する3つのステップ


6月25日に行われた日独産業協会のワーキンググループでは、自身の価値観を棚卸しし、対話のきっかけを掴むためのワークとディスカッションを行いました。ここでは、その際にお伝えした3つの視点をご紹介します。


  1. 体験(Experience):自分の「譲れない一線」を知る

    まずは、自分にとってビジネス上「これだけは譲れない」というライン(レッドライン)がどこにあるのかを明確にします。過去の摩擦を振り返ることで、自分の隠れた前提を浮き彫りにします。

  2. 内省(Reflect):それは「信念」か、それとも「慣習」か

    その「譲れないこと」が、自分の核となる価値観なのか、それとも単なる長年の「仕事の習慣」や「思い込み」なのかを問い直します。ここを切り分けることで、交渉の余地がどこにあるのかが見えてきます。

  3. 実践(Practice):抵抗を生まない伝え方

    自分の前提を、異なる考えを持つ相手にどう説明すれば角を立てずに共有できるか。相手の立場を尊重しながら合意形成を目指すための、具体的なアプローチを検討します。


まとめ:第三の道を探る姿勢を持つ


対話において重要なのは、どちらか一方が全てを譲ることでも、自分の意見を押し通すことでもありません。互いの立場や前提を明確にした上で、第3の道(双方が受け入れやすい新しい解決策)を一緒に探る姿勢が大切です。


共通の価値観は固定されたものではなく、状況に合わせて変化し続けるものです。だからこそ、日々の小さな対話を通じて、共に育てていくことが大切です。


※本稿で触れたワークの具体的な進め方や、日独間での円滑な合意形成のためのコーチングにご興味のある方は、個別にお問い合わせください。

 
 
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