隣の人のワークスタイル、知っていますか?

日本人であれ、ドイツ人であれ、隣の席に座る同僚やチームメンバーの「ワークスタイル」や「コミュニケーションの好み」を、どれくらい具体的に知っているでしょうか。
私たちは毎日オフィスで顔を突き合わせ、あるいは画面越しに打ち合わせをしていても、意外と「仕事において何を最も大切にしているか」「どんな進め方が得意で、何にストレスを感じるか」といった根本的なことについて意見を交わす機会は多くありません。
お互いのスタイルを知らないままプロジェクトを進めていくと、どこかで少しずつ「ボタンの掛け違い」が生じ始めます。
実は、私自身もかつてそうでした。
私自身は、事前に綿密なプランを立て、マイルストーンに沿ってコツコツ着実に進めることが得意なタイプです。そのため、プロジェクトが予定通りに進まなかったり、チーム内で期限が守られなかったりすると、強い焦りやストレスを感じていました。
「なぜ決めた通りに動いてくれないのだろうか」「どうして事前に一言相談してくれないのか」
外務省にいた際にも、ドイツの民間企業で勤務していた際にも、こうした摩擦には何度も直面しました。そして、「もっとコミュニケーションを取る機会があれば、プロジェクトの実行が円滑に進むのではないか」と強く感じてきました。
実際、日独間のチームでも、「報告・連絡・相談を重視し、全体の調和やプロセスを重んじる日本の駐在員」と、「個人の自律性や明確なタスク定義、合理性を優先するドイツの現地メンバー」の間で、似たようなフラストレーションが日々生まれています。
しかし、多くのプロジェクトやチームを見てきて気づいたことがあります。
この摩擦は、どちらかの能力が不足しているからでも、相手に悪気があるからでもありません。「仕事の進め方やコミュニケーションの前提が、お互いに共有されていない」ことから起こっていることが多いということです。
予定通りに進まない時や、期待通りのアウトプットが出てこない時。実はそんな時こそ、チームにとってもリーダーにとっても、自分たちの協働体制を一段引き上げるチャンスが巡ってきています。
行き詰まった際に、「自分たちのワーキングスタイルの違いを可視化するサイン」と捉え直してみる。それだけで、チームのアプローチは大きく変わります。
例えば、新しいプロジェクトが立ち上がる時や四半期の節目に、以下のような「お互いの取扱説明書」を言葉にして共有する場をあえて設けてみるのはいかがでしょうか。
進捗管理
トラブル時の対応
意思決定
こうした根本的な仕事の進め方は、暗黙の了解に任せている限り、決して相手には伝わりません。
特に背景となる文化や言語が異なる環境では、「言葉にしてすり合わせる場」を意図的にデザインすることが不可欠です。もちろん、同じ国籍のメンバーから成るチームであっても、スタイルは人それぞれです。
お互いの違いを「互いに補完し合う資産」に変える第一歩は、隣の人のスタイルに興味を持ち、安全に対話できる場を作ること。
「隣の人に興味を持つより、目の前の自分の仕事に集中したい」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、隣の人に興味を持ち、違いを知ることは、ひいては「自分自身の強みや仕事の軸を深く理解すること」にも繋がります。
この機会に、チームでお互いのスタイルを語り合う「チームビルディングの時間」をとってみてはいかがでしょうか。


